モバイル空間統計

超大型連休・2019年GW、東京都民はどう動いた?

分析事例   

2019年09月09日

2019年、平成天皇陛下が生前退位され、今上天皇が即位された為、2019年のGWは祝日の変更があり、10連休と、例年に比べ更に大型連休になりました。その結果、例年に比べ、連休中の過ごし方や行き先に変化が見られた可能性があります。そこで、今回、モバイル空間統計により、東京都民がGW期間中、どこで過ごしていたかについて調査を行いました。

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調査概要

期間は2018年と2019年のGW期間(4月27日〜5月6日)、対象ユーザは東京都民を対象とし、それぞれの年度の「滞在都道府県」※1「最遠滞在距離」※2を性別・年齢別に集計しました。
10連休となった2019年のGWで、どのような傾向が明らかとなったのか、データから読み解いていきたいと思います。


※1滞在都道府県(どの都道府県に滞在したか)
※2最遠滞在距離:自宅から最大で何km離れた地点へ訪れたか(国内移動に限る)



首都圏近郊で過ごした人が全体の約8

グラフ1.png



グラフ①は、2019年のGW期間中の、東京都民の最遠滞在距離について表しています。グラフ①から読み取れるように、2019年のGW期間中は、移動距離0~49kmの人が62.8%と、大きく移動しなかった人の割合が最も多かったようです。東京駅から50km圏内というと、神奈川県の平塚や鎌倉付近。成田空港すら入らない範囲。東京都の東西距離が約30kmということを鑑みても、GW中は首都圏から出ずに過ごした人が多数派ということが読み取れます。


次いで割合が多かったのが、50~99kmで12.8%。0~49kmの割合に比べると、その割合はぐっと下がっていることがわかります。単純に割合だけで比べると、0~49kmの人を筆頭に、移動距離が伸びるにつれ割合が下がっていくという反比例の関係を見て取ることができます。
この結果から、東京都民では、GW期間中であっても、遠距離移動は避け、近場で過ごしている人が最も多いということがわかります。



グラフ2.png



ちなみに、グラフ②の通り、 2018年のデータを分析した結果も、ほぼ同様の傾向が見られました。



中~長距離移動した人の割合が増加

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グラフ①②より、2018年・2019年共に、東京都民の半数以上が首都圏内で過ごしていたことがわかりました。

しかし、ここではその割合に注目してみたいと思います。

2018年には67.7%だった移動距離0~49kmの人の割合が、2019年には62.8%。実に5ポイント近くも減少していることがわかります。すなわち、2018年同様、2019年のGW期間中も、最も多かったのは首都圏内で過ごす人でしたが、それ以上の距離を移動した人の割合は、前年よりも増加したことを意味します。

それでは、実際にどの程度の距離を移動した人が増えたのでしょうか?

グラフ③は、2018年と2019年の移動距離を比較したものです。但し、最も割合の多かった0~49kmについてはグラフから外しています。この結果を見ると、50km以上移動した人の割合は、すべての距離において2018年に比べ2019年で増加していることがわかります。
それぞれの距離でどの程度割合が増えたのかについて、グラフ④で示します。


グラフ4.png

2018年と2019年を比較すると、100~199km移動した人の割合が最も大きく増加していることがわかります。500km以上の長距離を移動した人の割合も同様に大きく増加しています。また、50~99km移動した人の割合の増加は0.2ポイント程度であるのに対し、100km以上移動した人の割合は、最も少ない400~499kmでも0.6%、100km以上の合計では4.7ポイントも増加しています。

やはり、10連休とも大型連休になると、多くの方がより遠くまで足をのばす傾向が顕著に表れています。

2019年は近畿地方・東北地方などへの訪問者が増加

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2019年のGW期間中は、2018年の同期間に比べ、100km以上移動した人の割合が大きく増加していることがわかりました。

それでは、100km以上移動した人たちは、具体的にはどこで時間を過ごしていたのでしょうか?

2018年・2019年のGW期間中、訪れられていた割合を地域別に示したものがグラフ⑤です。但し、最も割合の多かった首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)を除いて表示しています。グラフ⑤より、単純に訪れた人の割合としては、2018年・2019年共に中部地方が最も高く、次いで関東地方が高いことがわかります。

しかし、この2地方は、2018年に比べると、いずれも訪れた人の割合は減少しています。対して、2019年の方が、訪れた人の割合が増えている地域は、近畿地方・中国地方・東北地方など、という結果となりました。ちなみに、日本を代表する観光地である北海道はやや減少、沖縄はほぼ変わらないという結果でした。

まとめ

1. 前年度と継続して首都圏内(東京から50km圏内)の移動が最大
東京都民のGW期間中の行き先としては、東京から50km圏内、つまり首都圏内が最も多いことがわかりました。その傾向は2018年・2019年に共通しており、約6~7割の人が首都圏内で過ごしていたようです。

2. 中距離~長距離移動者の割合は増加
2018年に比べると、2019年では首都圏内の移動の割合が減少。対して、50~99kmと、中距離を移動した人の割合と、500km以上の長距離移動者の割合が増加。2019年は10連休という、例年に比べても類を見ない大型連休となったため、これまで近場で過ごしていた人たちの中に、時間をかけて中距離~長距離移動した人が一定数いたためと考えられます。

3. 特に近畿地方・東北地方等の来訪が増加
移動距離が伸びただけでなく、移動する行き先にも変化が見られました。2018年には、関東地方や中部地方など、東京都内からアクセスが良く、比較的簡単に訪れることができる地域が人気でした。それに比べ、2019年には、首都圏や関東・中部地方で過ごす人の割合は減少し、近畿地方や中国地方、東北地方など、都内からは距離があり、また移動に時間がかかる行き先を選ぶ人が増加したようです。この理由としては、2019年は連休の日数が増加し、レジャーにかけることができる時間が増えた人が多かったと考えられます。その為、普段であればなかなか訪れにくい、遠距離の地域へ旅行した人が増えたと考えられます。

近年、国内経済の冷え込みや旅行産業の不振が叫ばれていますが、調査結果から、連休日数が増えれば、移動する人・移動する距離が増えることがわかりました。その結果、首都圏近郊の観光地だけでなく、都内から距離のある場所においても、訪問者数が増加したと考えられます。今回の調査では、東京都民に限定してモバイル空間統計による分析を行いました。しかし、他の地域の在住者においても同様の傾向が見られた場合、全国的に人の移動が生じていたと予想できます。


国民が自由に使える時間が増えることで、国民の移動距離が伸び、そして行先も大きく変化することがわかりました。人が移動すれば、そこには経済活動が生まれ、各地域の地域力の向上にも寄与します。すなわち、まとまった日数の連休は国民の活動を活発化させ、日本経済に良好な影響を与えることになることでしょう。今回の大型連休での実績は、全国各地域において、今後の戦略のため有意義なデータとなったのではないでしょうか。